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海外駐在歴11年。カンボジアで自身初の拠点立ち上げと市場創出に挑む。

山口渉さん(Yamaguchi Wataru)

1967年生まれ、京都府出身。大学卒業後、富士ゼロックス福岡支店に配属。12年間営業畑一筋で歩む。2001年、社内の海外業務研修制度に応募し、米国イリノイ大学に留学。ゼロックス・インターナショナルでインターンシップも経験し、2年後に帰国。2006年からアジア・パシフィック・オペレーションで事業企画を担当し、上海、シンガポールに4年駐在。2010年から富士ゼロックス・タイランドに赴任し、事業企画およびマーケティング部門の責任者を務める。5年間のタイ駐在を経て、2015年8月からカンボジア・プノンペンに赴任。同年10月にカンボジア支店を開設し、支店長に就任。「直販・直サービス」を掲げ、販路拡大に取り組む。

今年創業55年を迎えた国内複合機大手の富士ゼロックス株式会社。同社のアジア地域への進出の歴史は古く、1965年、フィリピンでアジア初となる拠点開設を皮切りに、現在、アジア域内14の国と地域で事業を展開しています。
中でも、最も新しいカンボジア支店は2015年10月の開設。支店長として立ち上げから指揮を執る山口さんは、今年で海外駐在歴11年を迎えた海外生活のベテランです。
経済発展の真っただ中にあるカンボジア・プノンペンでの駐在生活とはどんなものなのでしょうか? 他国との違いやカンボジアならでは魅力、そして海外生活を送る上で大切なこととは? 山口さんにお話を伺いました。

2006年からスタートした海外駐在生活。タイでは暴動と大洪水も経験。

——まずはカンボジア赴任前のタイ駐在時代についてお聞かせください。

2006年から4年間、アジア・パシフィック・オペレーションというアジア全域を統括する部署で事業企画を担当し、上海とシンガポールに駐在していました。その中で、もっと現地に深く入り込みたい、各国の販売会社に出て働きたいという想いが強くなり、2010年からタイの販売会社である富士ゼロックス・タイランドに赴任することになったのです。

——2010年のタイと言えば、タクシン元首相派による赤シャツ暴動の年ですよね。赴任早々、とんでもない国に来てしまったと思われたのでは?

私がタイに着任したのが2010年1月だったのですが、3月ごろから街がざわつき始め、5月には暴動が発生。日本人ジャーナリストが銃弾に撃たれ亡くなるという事件も起きました。ただ、私の自宅は外国人が多く暮らすエリアだったこともあり、暴徒の襲撃はなく、家族含め危険を感じることはほとんどなかったですね。

——翌年はバンコク北部にも大きな被害をもたらした大洪水が起きました。

赤シャツ暴動より大洪水のほうが大変でした。タイ本社周辺の地域では膝の上まで浸水し、ひと月オフィス閉め、別の支店で仕事をしていました。バンコク以外の地域では通常通りの事業をされておられるお客様が多数いらっしゃいましたので、「いかに物流を止めずに死守できるか」、そのことだけを考え、毎日会議をしていたことを覚えています。

カンボジア支店が入居するプノンペンタワー

2014年にはクーデターも経験するなど、波乱万丈だった5年間のタイ駐在を経て、2015年8月にカンボジアの首都プノンペンに赴任。山口さん自身、初めての経験となる拠点の立ち上げを行うことに。カンボジア支店の開設には相当な苦労があったといいます。

海外拠点の立ち上げでは一人五役をこなす

カンボジア人スタッフとも密なコミュニケーションを図る

——カンボジア支店の開設にあたっては、苦労も多かったのではないでしょうか?

拠点の立ち上げは私自身初めての経験でしたし、周りに聞いても分からない。正直何から手を付ければいいのか…という感じでしたね。立ち上げメンバーは全部で6人。日本人は私と研修生の2人、サービス長をフィリピンから呼び、現地スタッフは営業、エンジニア、バックオフィスを1人ずつ採用しました。
オフィス探しからライセンス取得、現地スタッフの採用と教育、営業訪問先リストの作成、税務会計など、すべて自分で理解する必要があります。一人五役をこなさなければならないのです。特に悩まされるのが現地の税制。不透明な部分が多く、今でも理解に苦しむ場面があります。(笑)

——カンボジア人スタッフとのコミュニケーションはどうしているのですか?

社内公用語が英語のため、現地スタッフの採用は高い語学力が必須条件です。社員との簡易連絡手段にはLINEを活用しています。グループを作り、業務連絡や研修の様子など些細なこともこの中でやりとりをして、社員同士で気軽にコミュニケーションがすすむ環境を提供しています。タイでは社員数が多かったこともあり、こうした用途でLINEを使うことはありませんでした。カンボジアならではと言えるかもしれません。

LINEグループをフル活用する

逆にタイと同じと言えるのは、社員旅行や食事会が大切だということです。今年の社員旅行は蟹で有名な南部のケップという街に出かけましたが、とても喜んでくれました。
日本では会社の飲み会や社員旅行は敬遠されがちですが、社員のモチベーションを上げるためにも東南アジアでは必須の行事です。

カンボジアは市場そのものを創り出していく段階

街の至るところで中国企業による開発が進められている

——カンボジアとタイではビジネス面での違いはどんなところですか?

やはり企業の数、市場規模が違います。私が赴任した時、カンボジアには日本人2,000人、韓国人20,000人、中国人200,000人が住んでいると言われていました。
最近では特に中国の勢いが凄い。今、プノンペンの至るところで建築工事をしていますが、そのほとんどが中国企業の案件です。
タイには日系企業だけでも数千社あり、複合機の市場がすでに成熟していました。大きな市場があったのです。
それに比べてカンボジアは日系企業がまだまだ少ない。私は今年からカンボジア日本人商工会の役員を務めていますが、商工会員は248社(正会員186社、準会員62社)で、タイの約7分の1です。
もちろん日系以外の現地企業にも拡販をしていますが、そもそも企業と呼べるものが圧倒的に少ない。ローカルではまだ個人商店レベルが大半でこれから企業が増えてくるのだと思います。

——カンボジアはまだこれからの市場ということですね。

はい。成熟したタイとは違い、カンボジアは市場そのものを創り出していく段階で、
まだまだこれからなのです。もちろん短期的な業績は大切ですが、市場拡大が見込まれる数年後に向けて、今のうちにスタッフには基礎をしっかり教育し、組織としての基盤作りをする。それが私の役目だと思っています。

上海、シンガポール、バンコクと世界有数の在留邦人数を誇る都市から、わずか2,000人強のカンボジアへ。日本人が日常生活を送る上で不便を感じることはないのでしょうか。

意外なほど便利なプノンペンの生活

年間1500万人が訪れるイオンモール1号店

——これまで赴任してきた都市と比べて、プノンペンでの生活はいかがですか? まずは食事面についてお聞かせください。

バンコクとは比べられませんが、プノンペンにも日本食レストランはたくさんあります。昼も夜も日本食を食べることが多く、外食で不便を感じることはほとんどありませんね。釜飯が食べられるレストランまであるんですよ。


山口さんお気に入りの釜飯店

——確かに街を歩いていても日本食レストランを多く見かけます。では、買い物についてはいかがでしょうか?

私が赴任する前年、2014年6月にプノンペンにイオンモール1号店がオープンしました。その前から住んでいる方の中では、「イオン前、イオン後」と言われるほど、イオンの出店がもたらした影響は大きかったと言えると思います。「イオン後」は、表示価格での販売や年中無休など、イオンに合せたスタイルに変更した店が増えたと聞いています。
イオンモールには年間1500万人が訪れているようなのですが、これはカンボジアの全人口とほぼ同数。とてつもない集客力ですよね。
私も妻も頻繁にイオンを利用しています。イオン後に、在住日本人の生活も大きく変わったと言えるのではないでしょうか。

——プノンペンではタクシーをあまり見かけませんが、移動手段に不便はないのでしょうか?

タクシーはまだまだ普及していません。
最近、PassAppという配車アプリを使い始めたのですが、これが非常に便利です。用途に合わせてオートリクシャ(三輪タクシー)、タクシー、SUVから車種を選べて、近くにいるものを自動的に配車してくれます。「メーター制」という点も素晴らしい。トゥクトゥクの様な値段交渉の煩わしさも、ぼったくりもありません。日本人駐在員でも使っている人が増えていますよ。

PassAppのオートリクシャ(三輪タクシー)

食事や買い物、移動手段には不便はなく意外なほど快適なプノンペンの生活。しかし、気になるのは治安。プノンペンは一昔前まで夜中に銃声が聞こえる危険な街として知られていました。治安面に不安はないのでしょうか。

プノンペンではスリに注意!

バイクによるスリ・ひったくりが多発

——プノンペンの治安について不安はありませんか?

プノンペンで注意しなければならないのは、スリやひったくりです。男性も女性もお構いなしです。私も白昼堂々、会社の目の前の大通りで後ろから走ってきた二人乗りのバイクに手に持っていたカバンをひったくられそうになりました。
よくある手口として、「胸ポケットに入れたスマホを奪われる」、「スマホで話している最中にスマホ自体を奪われる」、「トゥクトゥク乗車時に横からカバンを持っていかれる」というものがあります。
現地スタッフは、人が多いところではスマホで通話しない、肩掛けバッグでも上からジャケットを羽織るといった対策をしています。

——強盗などの凶悪犯罪についてはどうですか?

駐在員が凶悪犯罪に巻き込まれるケースはあまり聞きません。ひと気のない場所を歩かないなど基本的な注意を怠らなければ犯罪に巻き込まれる可能性は少ないはずです。
ただ、観光客が多い王宮周辺は治安が悪く、夜は強盗が出るという話も聞きます。


深夜の王宮前はひと気もなく暗い

11年に渡り異文化の外国人と信頼関係を築き、仕事をしてきた山口さん。海外で生活をしていく上で一番大切なこととは? 

違いを認めることが第一歩

——海外で外国人と仕事をしていく上で、一番大切なことはなんでしょうか?

色んな国の人と仕事をするのは楽しくもあり、難しくもあります。カンボジアに限らず、海外では日本人同士のように「阿吽」の呼吸で物事は進みません。伝えたいことは、直球ど真ん中に投げないと駄目。何度も諦めずに投げる。
また、「違い」を理解することも必要です。
お互いの文化や宗教を敬い、違いを受け入れる。「良い、悪い」や「優劣」ではなく、違いを認められるようになることが、仕事だけでなく海外で生活する上で一番大切なことだと思います。

——最後に、これからカンボジアに赴任する方に一言メッセージをお願いします。

カンボジアはまだこれからの国です。個人で起業する日本人も多く、チャンスが溢れています。ぜひ夢を持ってカンボジアに出て来ていただければ嬉しいですね。

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