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世界で増える日本人YouTuber!日本とベトナムを動画でつなぐ中谷茜理さん

COMMUNITY ベトナム 2018.02.26

今回のナビゲーター:ネルソン水嶋(Nelson Mizushima)さん

1984年、大阪出身、現在はベトナムのホーチミン市を拠点として活動するライター/ブロガー。デイリーポータルZやネタりかなどのWEBメディアを中心に、現地での取材と、海外在住者ならではの考察を強みとした記事を執筆中。学生のときに広告クリエイターに憧れ、挫折したあとSEとして都内で5年働き、ベトナム旅行中に現地で働く日本人に誘われて移住した。

ベトナムで、ある「日本人YouTuber」が話題だ。

ベトナム語の早口言葉を言ってみる

民族衣装のアオザイ姿でダンスを踊る

ベトナムの文化や伝統に絡んだ企画は、日本好きのベトナムの若者を中心にたびたびSNS上で話題にあがる。最近では現地のニュースサイトやテレビ番組にも取り上げられ、モデルデビューも果たしたという。そんな、今をときめく彼女の名前は?

中谷茜理、YouTubeでベトナムと日本をつなぐ24歳

中谷茜理(あかり)、それが彼女の名前だ。自らのチャンネル名を「aNcari room」にした理由は、自身の名前がベトナム語の発音では「an cari(カレーを食べる)」に聴こえるから。それがおもしろいと感じ、あえてその間に大文字のNを挟んだ。彼女の動画が公開されるたび、日本が気になるベトナム人や、逆に、ベトナムに関心の高い日本人からのコメントで溢れる。

『かわいい(ベトナム人)』

『ベトナム語すごい!発音がいい(ベトナム人)』

『わたしもベトナムに住んでます、これからも動画楽しみにしてます(日本人)』

『自分の故郷であるベトナムに興味がなかったけど、この動画を観て初めて自分の国に興味が湧いた。次の休みに一度訪れることを決めました。(ベトナム系外国人)』

この一年でチャンネル登録者数、つまり彼女の動向が気になる人たちは300から26,000に。人気に火がついたきっかけはふたつ。ひとつは、冒頭の早口言葉の動画が日本好きの集まるFacebookページやグループで紹介され、10万以上のユーザーに彼女の存在が知れ渡ったこと。もうひとつは、ベトナム系アメリカ人YouTuberによるインタビュー動画によって越僑、つまり、外国に住むベトナム人や、帰化や出生で外国籍を持つベトナム系移民に知られたことだ。

ベトナム系アメリカ人YouTuberの、「Kyle Le Dot Net」によるインタビュー動画

と、ここまで赤の他人のように振る舞ってみたが、中谷さんは個人的に交流のある友人でもある。ほぼちょうど一年前に「おもしろい人がいる」と共通の友人から紹介された。それから破竹の勢いでファンを増やしてたちまち有名になっていく彼女に、すでに知ってることも知らないことも改めて、普段の活動内容、ベトナムで動画配信をはじめた経緯、ベトナムの若者の心を掴む動画づくりのノウハウなど、さまざまな話を聞かせてもらうことになった。

目的と、企画の軸は「ベトナムと日本の架け橋」

筆者「今日はよろしくお願いします。まず、核心から。動画を配信する、目的は何?
中谷さん「刑事みたいな質問ですね…(笑)。目的は、ベトナムと日本の架け橋になることです。ベトナムの芸能人でハリ・ウォンという、両親がベトナム人と韓国人で越韓の架け橋的なタレントがいるのですが、3年後くらいには彼女のような存在になりたいと考えています」
筆者「それは、芸能人になりたいという訳じゃないんだよね?」
中谷さん「はい。あくまで影響を与える人(インフルエンサー)としての話で。テレビに限らず、自分の活動の場を制限することは考えていません」

中谷茜理さん。腰まで届きそうな長い黒髪がトレードマーク

筆者「日越の架け橋ということだけど、それは企画づくりでも意識しているの?」
中谷さん「していますね。aNcari roomを観ている人はベトナム人と日本人が大半ですが、届ける相手を一方に絞らないようにしています。たとえば最近ではTokyo Bonというダンスを踊ったのですが、ベトナム人の方がより楽しめるようにと民族衣装のアオザイ姿で行いました

YouTubeでカヴァーが流行したTokyo Bon、アオザイ・ヴァージョン・イン・ベトナム。
一緒に踊る二人の男性は、吉本興業のアジア住みます芸人ダブルウィッシュさん。

筆者「『届ける相手を絞らない』って、それってきっとセオリーとしては真逆で、そこで私は以前『ベトナム人に絞った方がいいよ』って言ったと思うんだよね。でも、今の活躍を見ていると、その思いが結果どちらにも伝わるのかなと。勉強させてもらったなーと思っています」

動画制作は中谷さんと、相棒・ユエンさんとのコンビ体制

筆者「動画の題材はどうやって決めているの?」
中谷さん「さきほど話したように、日越の人々どちらにとっても楽しめるものが前提。その中でオチまでストーリーが見えたものから、友人と相談して手伝ってもらってます」
筆者「aNcari roomは一人じゃないってこと?」
中谷さん「はい、ユエンちゃんという活動当初から応援してくれていた友人で、よく一緒に動画に出演しています。企画と編集はほぼ私一人ですが、ベトナム語のチェックや外部とのやり取りなども任せています。なにより、精神的に支えてもらっている部分が大きいです!」

中部の高原の街、ダラットでの撮影風景。中央の女性が相棒のユエンさん

筆者「これまでの活動で見えてきた、動画がウケる/ウケないの基準ってある?」
中谷さん「実は、いまだに何がウケるのか、まだ分からない部分が大きくて。でも、旅行レポートなどのブログ形式、つまり移動しながら話すものはあまりウケないようです(笑)。やはり、観ている人の大半はベトナム人なので現地の風景や料理を紹介したところで新鮮味はないのかもしれません。それよりは固定撮影で、私がベトナム語を話す方が反応は良いですね」
筆者「なるほど。動画のコメントから考えると、おそらく『ベトナム語を話す日本人の女の子』がおもしろいと思う人も多いだろうし。対象を絞らない、というのも簡単じゃないね…」

親友との出会いから生まれた「ベトナム移住」という選択

そもそも、中谷さんはなぜ、「ベトナム」で「動画配信」という選択を取ったのか?そこには「親友との出会い」「就職への疑問」「自身のルーツ」、この3つが深く関係している。

彼女が通っていた大学は、立命館アジア太平洋大学。ここは国内トップクラスの数の外国人留学生を受け入れており、学生全体の半数に及ぶ。2016年時点でも、84カ国・地域から3000人ほどの学生が在籍しており、韓国人学生に次いで501名ものベトナム人学生が通っている。

中谷さん「大学では合気道サークルの副部長だったのですが、そこにひとりのベトナム人女性が入部してきました。何度か会っているうちに興味や笑いのツボが似ているということが分かり、二人でルームシェアをはじめて、そのうちに親友と呼べる存在になって。そこで彼女が実家へ帰省するときに付いて行って一ヵ月ほど滞在したことが、はじめてのベトナムでした」

親友(中央)との日本での写真

筆者「そこでベトナムにハマった?」
中谷さん「いえ、『台湾とちょっと似てるなー』と感じたくらいで。それまでに学校のプログラムで韓国やタイ、スイスやエクアドルなどに行っており、とくに南米に比べると驚きはありませんでした。ただ、親友の家族や友人に親切にしてもらい、印象はよかった。それからも再び親友の親戚の結婚式に呼んでもらって行ったりと、身近な国のひとつになっていきました」

台湾での家族・親戚との写真。
中谷さんの両親は日本人と、台湾人。自身のルーツである台湾には何度も足を運んでいた

筆者「ここまでは、ベトナムは『印象のよい国』くらいの感じだね」
中谷さん「そうなんですよ。実際、二度行っても『住みたい』と思った訳じゃなかった。ただ、そのあとに、目的が曖昧なままでの就職活動に疑問を感じて、大学院進学か台湾か…と考えたときに、『ベトナムに住むのもアリじゃない?』という思いが浮かび上がってきました」
筆者「どうしてそこでベトナムが??」
中谷さん「いつか、自分のルーツでもある台湾に住むことは決めていたんです。だからあえてその前に、台湾でも日本でもないベトナムという第三の国に、ルーツがある訳じゃない外国人として住む経験はとても重要なことだと思えました。それに親戚がいればやっぱり甘えてしまうだろうし、中国語を話せる日本人よりもベトナム語を話せる日本人の方が珍しいと思って」

そして2016年の5月にベトナムへ。現在の中谷さんの住まいはなんと親友の実家(写真は自室)、親友自身は日本にいる。彼女がベトナム移住の決意を伝えたときの親友は落ち着いた反応で、喜んでくれると思っていた中谷さんはガッカリしたとのこと。しかし、そのあとで「うちに住めば?むしろ住んでほしい」と言われ、心配だったからこその反応だったと後に知る。

動画配信をはじめた理由は「学習記録」と「心残り」

筆者「ベトナム移住を決めたときから、この活動は考えていた?」
中谷さん「いえ、実は最初は、ふつうに現地企業に就職しようと思ってました」
筆者「さっきの経緯からすると、ちょっぴり中途半端じゃない?(笑)」
中谷さん「そうなんです(笑)。なので結局就職はせず、まずはベトナム語の習得に集中しようと。ただ、移住前から人材紹介会社の方に相談していたこともあり、日系企業との面接も設定してもらったのですが、『日本の本社採用の可能性もある』と言われて。私に対して大変ありがたいお話だったのですが、ベトナムに住んでみたいからこそ来たので本末転倒だなぁと」
筆者「だよね」

自宅での家族との食事。特別な日は、ベトナムの習慣らしく床に新聞紙を敷いて食べる

中谷さん「そこで動画配信を決めた理由は、学習状況の記録という目的がありました」
筆者「あ、なるほど」
中谷さん「あと、大学にいた頃から動画には興味があって、親友とも『留学生あるある』などのアイデアを話して盛り上がっていたものの、行動に移せなかったという心残りもあったと思います。それで、動画なら文章に比べて言葉の壁だって低いし、チャレンジしてみようと」
筆者「そして今、見事に花が開いてきたということだね!今後も応援しています」
中谷さん「はい、ありがとうございます!」

外国人YouTuberは「自国を再発見させてくれる友だち」

最近は、前述のユエンさんと、さらにもうひとりのメンバーで現地法人を設立、「aNcari room」を軸に活動の場を広げ、少しでもベトナムに恩返しをしたいとのこと。中谷さんの動画をご覧いただくとともに、今後の彼女の活躍に期待してほしい。

Google主催の外国人YouTuberのイベントにて撮影

文中で「『ベトナム語を話す日本人の女の子』がおもしろいと思う人も多い」と書きましたが、私は彼女が一躍有名になった理由はそれに尽きると思います。ベトナムはそもそも親日ですが、世の中には言葉の壁があり、どこの誰でも外国人の友だちがいる人の方が少ない。だから、外国に対してふんわりとしたイメージはあるけど、よく分かっていない。そこでスマホやパソコンを通して簡単につながれる外国人YouTuberとは、多くの人にとって「自国をおもしろい視点で教えてくれる」「はじめての外国人の友だち」と言えるのではないでしょうか。

実は今、海外で活躍する日本人YouTuber(動画クリエイター)が増えています。中国の山下智博さん、タイのでいぜろバンコクさん、インドの今日ヤバイ奴に会ったさんなどなど…。現地の言葉を話したり、または日本語で話したり、本人が登場したりしなかったりと、彼らのスタンスはさまざまです。しかし、その存在は、日本人には異国の空気を伝え、現地の人々には彼らの国のことを教えてくれ、また同時に自国の魅力を新たな視点で再発見させてくれる。

それは間違いなく、両国の架け橋であると私は思います。中谷さんをはじめとして、世界中で活躍する日本人YouTuberの今後に期待せずにはいられません!
aNcari Room – YouTube

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