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高齢化が進むタイに進出―他企業に負けない人材育成に励む

INTERVIEW タイ 2017.09.21

早矢仕真史さん(Hayashi Shinji)

1977年生まれ、岐阜県出身。大学を卒業したのち、コピー機会社に就職し営業マンとして3年半勤務。退職後、語学留学のためワーキングホリデービザでカナダに10カ月滞在した経験を持つ。帰国後、車椅子メーカーの松永製作所へ就職。2014年、タイ法人立ち上げのためバンコクに赴任し、MATSUNAGA (THAILAND) COMPANY LIMITEDのManaging Directorに就任する。東南アジアでもっとも早く高齢化を迎えているタイで、高級車椅子の販売に携わる。

岐阜県の車椅子メーカー松永製作所。同社が2014年にタイ進出を目指し、法人立ち上げに抜擢したのは早矢仕真史さんです。同社タイ法人のManaging Directorに就任した早矢仕さんに、タイ法人立ち上げからタイ人社員のマネージメント、商習慣、高齢化を迎えるタイでの戦略などをお話しいただきました。

2022年、タイは「高齢社会」に突入する

タイは東南アジアで最も早く高齢化社会に突入した

——まず、松永製作所がタイへ進出することになったきっかけを教えてください。

日本の「高齢化社会」は1970年に始まりました。現在は総人口の26.7%が65歳という「超高齢社会」を迎えています。高齢化社会を迎えてから50年近く経ち、日本で車椅子市場の伸びしろはかなり少なくなっていることもあり、東南アジアでもっとも早く高齢化社会を迎えるタイに注目しました。

——タイの高齢化は具体的にどれほど進んでいるのでしょうか?

定義として「高齢化社会」は総人口に対して65歳以上が7%〜、「高齢社会」は14%〜、21%を超えると「超高齢社会」とされています。タイは現在、総人口における65歳以上の割合が9〜10%で「高齢化社会」ですが、2022年には14%を超え「高齢社会」へと突入すると予測されています。

松永製作所の車椅子はタイでは最高級の位置づけ

——増えつつある高齢者に向けて、車椅子をプロモーションしていくということですね。

その通りです。ただ日本国内との戦略の違いは、タイでは「高級車椅子」として販売することです。客層はタイの富裕層をターゲットにしています。

——富裕層へリーチするための宣伝やプロモーション方法は?

車椅子は利用するご本人が直接購入することはかなり少なく、タイだとご家族が購入することがほとんどです。そういったご家族が勤務されているであろう、高給与の企業が入っているビルで展示会や販売会を進めています。

先日はBITECで催された「BIG MOTOR SALE」というイベントで出展してきました。このイベントは大型車や大型バイクを販売する展示会で、高齢者向け商品とは一切関係ないのですが、足を運ぶ富裕層の方へプロモーションできるだろうとの思惑です。

一般用だけでなく競技用の車椅子も販売

MATSUNAGAを支えるスタッフは、ほとんどが若いタイ人たちです。初めて部下として持つタイ人スタッフ。日本人との気質の違いを理解し、個別面談などで問題を吸い上げ、しっかりと教育することが重要だと話します。

バンコクの伊勢丹と東急に店舗を構える

伊勢丹バンコク店の店舗

——では次に、タイ人スタッフについてお聞かせください。現在、何名のスタッフがMATSUNAGAで勤務されているのでしょうか?

タイ人スタッフは事務所で9名が勤務し、伊勢丹と東急内に構える店舗に7名を配属しています。全員、私が面接したスタッフです。

——タイ人スタッフの働きぶりはいかがですか?

日本人と比べた印象ですが、二つの業務を同時に進められない傾向にあります。一つの業務を進めている最中に別のことを指示すると、出来ていないことが多いです。

あと、「報告」する習慣が薄いかもしれません。指示した業務に対し、完了したとの報告がいつまで経ってもないのでこちらから聞くと「すでに終わりました」と言う。なので口酸っぱく「報告するように」と言い、改善を促しています。

日本人との仕事の進め方に戸惑いながらも、彼らと会話し、理解してもらうまで説明することも多いようです。とはいえ、タイ人にはタイ人ならではの良い面もあると話します。

3カ月に一度、タイ人スタッフ全員と個別面談を行い、社内の問題点を改善

しっかりとタイ人スタッフとコミュニケーションを取り、風通しの良い職場を作る

——ではタイ人スタッフの良い面はどういった点でしょうか?

良い面は、日本人よりも素直な印象がありますね。車椅子の商品説明をしていると、日本人スタッフは普通に聞いているだけの印象ですが、タイ人は見てわかるほど真剣に聞いてくれるんです。あと、タイ人スタッフは言われたことをキチンとやってくれますね。

言葉の壁に臆せず、自ら進んでタイ人社員と会話をする

——タイ人は「すぐに転職したがる」と聞きますが、御社での離職率は?

他に比べて離職率は低い方だと思います。理由の一つとして、3カ月に一度、タイ人スタッフ全員と個別面談していることがあると思います。仕事への不満などを私に話してもらうのですが、業務上の問題を言う者もいれば、他スタッフへの不満を聞くこともありますね(笑)不満などを私に言ってもらうことで、従業員のストレスを軽減、問題点を改善し、よりよい職場になるように努めています。

もう1点は、私が直接面接していることもあるでしょう。無意識に性格が合いそうなスタッフを選んでいるのかもしれませんね。

バンコクのオフィス内にも車椅子が並ぶ(写真左)オフィスの外観(写真右)

長く続いているスタッフたちにも支えられ、MATSUNAGAを立ち上げて今年で丸3年が経ちました。異国で事業を進めていく上で戸惑ったこともあったと言いますが、それらすべてが良い経験になっているようです。

文化も違う、言葉も通じない国で仕事をすることが大きな経験となる

早矢仕さんの武器は「セールストーク」。だが、言葉が通じないタイではその武器が使えない

——タイの商習慣で戸惑ったことなどありましたか?

タイ人の富裕層に特に多いのですが、注文後「すぐに持ってきて欲しい」と言われることです。「取り寄せのため2日間かかるのでお待ち下さい」と説明しても、「すぐに欲しい」の一点張り。持ってこれないのならキャンセルすると言うお客様もいるので、今では多めに在庫を抱えるようにし、すぐに納品できる体制を整えています。

——日本とはまったく違う土俵で仕事をできることは、いい経験になりますよね。

さきほどもいいましたが、日本は1970年に高齢化社会に入っていて、私が入社するころにはある程度のシェアを獲得していました。

ところがタイではゼロからのスタート。海外でゼロから始めることができた今回の経験は大きいです。文化も違う、言葉も通じない国で仕事をすることも、大きな経験になっていると思います。私は10年以上営業マンをやってきたこともあり、「セールストーク」が一番の武器です。ところがタイだとその武器がほとんど使えない(笑)だからこそ、言葉の代わりになる武器をいろいろと考えるようになりました。これもいい経験です。

——これからの夢や、具体的な目標などがあれば教えてください。

タイの車椅子業界はローカルの企業だけではなく、日本、中国、ヨーロッパ、台湾が進出しています。今は特に台湾の企業が強い。私は駐在で赴任しているので、いつかは帰任しなければなりません。私がいなくなった後、台湾などの企業と戦えるスタッフを育てることが、タイにおいて私の最大の責務だと感じています。

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